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天国と地獄 みそさん作SSつき! (エコイコ、ふしぎの海のナディア)
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天国と地獄 みそさん作SSつき! (エコイコ、ふしぎの海のナディア)

↓こんなエコイコらくがき漫画をツイッタに掲載したところ、
みそさんがすばらし~~~~~小説をつけてくれました!!!!


天国と地獄 (みそさん筆)


この艦に拾われてからというもの、エーコーにはある日課があった。少し薄暗い廊下を、愛しの彼女を思いながら足を進める。普段は多くの船員がごった返すこともある医務室も、今はその殆どが艦内の点検や整備に追われ、扉の前に立つのは彼一人だった。ウィン、と聞きなれた未来的な音を立て開いた扉の中では一人の看護師が薬品の整理を整理している。彼女は人が来たことに気付き、振り向いた先でエーコーを見つけると、いつもの暖かい笑顔を浮かべた。

「どうしたんです?サボりはいけませんよ?」

いたずらっぽく言う彼女の口元が緩む。ああだ、こうだと理由をつけて足繁く此処へ通う彼の用は世間話やくだらないことが大半だ。

「ひっどいなー。今日はちゃんと医務室向けの用事さ。」

ボイラーでちょっとね、と、赤く爛れた手の甲を向けると、先ほどまで笑っていたイコリーナの表情は真剣な仕事モードへと変わる。決して重い火傷ではないが、範囲は広い。すぐさま氷を少量いれた水を用意して其処に手をつけるようエーコーに指示し、彼女は薬品の並ぶ棚から小さなガラス瓶を選んだ。
冷えた手を氷水から掬いあげ、その手につく水をガーゼに吸わせると丁寧に先ほどのガラス瓶の軟膏を傷口に塗り広げていく。

「火傷、気をつけてって言ってるのに・・・。」

眉を八の字に下げてイコリーナは呟く。
普段のにこやかな彼女と対照的な今の表情が見られるのもこの火傷のおかげなのだが、何せここの乗組員は生傷が絶えない。皆していつも心配をかけてばかりなのだ。小さな罪悪感がエーコーの胸を突いた。

「ボイラーとか弄ってるとどうしても・・・。」
「もっと気をつけて作業してください。」
「・・・肝に銘じます。」

慣れた手つきで包帯を巻きつけ、最後の仕上げとテープで留める。「これでもう大丈夫ですよ」と入ってきたときと同じ笑顔をまたエーコーに向けた、・・・と同時にバチンッと音が鳴ったかと思うと、一瞬にしてその笑顔は暗闇に呑まれ暗転した。

「きゃっ!」
「停電だ。大丈夫、すぐ回復・・・」

「するよ。」と続けようとするエーコーの喉元が声を飲んだ。胸のあたりに何かがぶつかる衝撃を感じたのだ。何が起きたのか確かめようと思い視線を落とすも、暗闇に慣れていない目は何も捉えない。ただその衝撃のあとに、かすかに自分のものとは違う温もりが伝わって、胴体をぎゅっと締めつけられた。
もしかして、と考えた瞬間に光が戻る。落としたままの視線が捉えたのは、想像通り自分にしがみつくイコリーナの姿だった。
数秒お互いその格好のままで固まっていたが、自分が何をしているか気付いたイコリーナは慌てて「ごめんなさいっ!」と、エーコーの背に回した腕を離そうとした。しかし、それを遮るようにエーコーも彼女の背に腕を回し、体が離れてしまわぬよう優しく拘束する。

「あ、あの、エーコーさん?」
「なんだい?」
「恥ずかしいんですが・・・。」
「うん。でもまだちょっと傷が疼くんだよね。こうしてたら治りそうなんだけどいいかな?」
「んもう・・・ちょっとだけですよ?」

エーコーの位置から彼女の表情は伺えないが、わずかにのぞく耳は真っ赤に染まっている。それがとても愛おしくて、そこに口付けてしまいたい気持ちを必死に抑え込もうと葛藤していると、いきなり扉が開いた。



「イコリーナ、電気が消えたが大丈夫か・・・!」

入ってきた老人は、可愛い孫娘に毒牙をかけんとする男を見つけると、すさまじい形相でエーコーをつまみだした。
こりゃあ当分の間出入りできないな、と深いため息とともにトボトボとまた薄暗い廊下を戻るのだった。


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ぬおおおお!!!
みそさん・・・!!いつもながらみそ筆は超萌えるぞぉおお!!(ノД`)
これ読んだ後、あやうく天に召されるとこだったw
エコイコ、是非また書いてほしいっす!


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